本当に小さなこと

日本の木製建具は寺社仏閣が多い地域にて
盛んになった歴史がある。
仕事を求めて宮大工がいつしか
住み着くようになったことが背景。
寺社仏閣の建築の隆盛期を過ぎたあたりから、
宮大工はそれらの技術を生かし木製建具を作り始める。
宮大工と木製建具の細かい加工は相性が良く、
次第にそれらの職人も増えていった。
昭和初期頃からいくつかの地域での
障子や襖作りが盛んになった。

神は細部に宿る

しばらくは穏やかな時が流れた

後継者不足。
バブル崩壊後の90年代頃から、
だんだんと業界が縮小していった。
みんなが平等に教育を受けられるようになり、
2代目や3代目が進学し、
都会の業種に就職し戻ってこなくなった。

時は流れる

時は流れ2011年の東日本大震災が発生する。そこで改めて、木製建具業界は自身の業界の置かれる状況を目の当たりにする。
お客様は戻ってくると思っていた。壊れた旧住宅には建具業界の力が必要だと思っていた。その為には全力で協力するつもりだった。
しかし、現実は違った。被災した住宅の修繕に木製建具は採用されなかった。多くは価格の問題だった。

昔ながらの住宅を再生するにあたり、障子や襖が新調されると業界では考えていた。
しかし実際には、畳の間は残るものの障子はカーテンに代わり、押し入れはクローゼットに置き換えられた。

その流れは公団住宅にもやってくる。
家賃がリーズナブルなことから小さい子供のいる家族も多い。
細い木材で組み込まれた障子は、生活の中で、紙が破れたり、桟とよばれる木材が折れてしまったりする事がどうしても発生する。
そうなってくると、退去時に障子の修理が必要になる。
住宅の供給側は、それらを修理する事に苦心していた。その結果、畳は残して障子の代わりにカーテンに付け替えた。
襖は辛うじて生き残った。それは、表紙の張替えという比較的コストの安い修繕方法があったから。
ところが、障子の修理という事になると結局ばらばらに分解して、再度組み上げることになる。
コストとしては新品とあまり変わらない。むしろ引き上げの手間、送料を考えると新品を作って、古いものは現地で処分してもらった方が安い。
そんな事情もああり受注は減ってい。
襖も時代の流れには逆らえず段々と張替えや新調の機会を失っていった。

その後2010年代、マンションから和室が消えた。
当初の理由は住まう人の生活習慣の現代化だと考えられている。畳に布団を敷いて寝る文化が段々と少なくなってきた。
また、マンション開発業者から見た場合、和室のコストも大きな理由だった。
それと時を近くして、住宅会社も和室の標準設定を取りやめた。
やはり、最も大きな理由はコスト。

一般的な建売住宅でも和室が入る場合、住宅会社にもよるが大体30-50万円程度のコストアップになる。
また、一定の技術を持った大工が居ないと施工できないという事も重なり、ここでも障子や襖の需要が減った。
お客様側も和室と洋室の明確な区別はついていない。そこまでコストに差が出るものだという認識もない。
また、住宅営業担当者も純粋な和室の事はよくわからない。
それゆえ、ハウスメーカーからすれば最も削りやすい箇所だった。

そんな流れもあり、建具業者はここ20年で激減した。
夫婦で営む建具屋はまだ地方に点在しているが、それぞれが連携しているわけでもない。
その為、現在全国対応できる建具屋、特に障子屋の数は片手に届かない。

しかし、障子は日本由来の技術であり実に日本らしい。それらが失われてしまう事はとても惜しい。
また、日本にはすでに供給されている住宅が6千万戸以上あると言われており、それらの半数以上には和室が存在する。
日本の建具屋がなくなってしまえば、それらの修理や入れ替え、製品供給を行える会社はなくなる。
また、障子は日本独自の文化であり海外輸入の製品はない。
では、海外で生産すればいいと思うかもしれない。
しかし、海外から見ればそれらを安価で製作して日本に持ち込むほどの需要はないと考えられている。
一部、アジアの国で生産されている和にルーツを持つ木製建具も存在するが、日本の基準で考えれば全く使い物にならない。

それだからこそ、我々は日本の技術を守りたいと思った。
障子や襖は実に美しい。海外の方が来ると日本古来の住宅にとても興味を持ってくれる。
それはなぜか。「木と紙でできた家、草を編んだ床に座り、布団を敷いて寝る」からである。
そんな独自文化の国は滅多にない。日本人が普通に体験してきたことが海外の方から見ればとても日本的で魅力的に映る。
日本の住宅文化はとても価値がある。そこには木製建具が欠かせない。
でもこのままではなくなってしまう。
だからこそ、我々大切にしたいと思った。

でも、木製建具はまあまあ高い。例えば、すぐ近所の建具屋に制作を依頼して作ってもらったとしても、
採寸訪問の手間代がかかる。2本の障子を入れるだけで、簡単に5万円を超える。むしろその金額では全然足りない。
ほぼ手間賃。
しかし、現在ではインターネットが発達し様々な情報を手に入れることが出来るようになった。
それと同時に、お客様側から発信したり、情報を伝達することも容易になった。
それ故、インターネット通販が盛んになり、今までは現場主義だった建材も寸法がわかれば出張経費をかけずに制作できる事がわかってきた。
それだった、日本にある2億個の住宅の為にも、これからそれらの住宅に住む人の為にも、
改修の時期を迎える日本旅館の為にも、このような工場は残さなければいけない。

今までであれば、高齢化の進んだ建具業界からの自らの発信は難しかった。
しかし、インターネットが発達し、当社のような会社とご縁を頂けたおかげで、
それらの想いを伝えることが出来るようになった。
なんとなく、古くなって見栄えが悪い、壊れてしまった建具を放置している家庭は多いと思う。
でも、誰に頼んでよいのかわからない。
そして、頼んだとして業者採寸の為に休日がつぶれるのも嫌だ、そんな方が多いこともよくわかる。
現代人は忙しい。
だからこそ、今までは職人が採寸していた内容を、しっかりと言語化して、必要な箇所をお客様で測ってもらう事で
大幅にコストダウンが出来る事がわかった。これは、皆にとって素晴らしい。
是非、FUSSASHOP(フッサショップ)で木製建具を新調してほしいい。きっと、いまよりちょっとグレードアップした未来が待っている。

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