「実家の和室の障子がボロボロ。きれいにしたいけれど、何から手をつければいいの?」 「中古住宅を買ったら障子がなかった。ホームセンターに行っても枠は売ってないし…」
いざ障子について調べ始めると、そこには「高い壁」が立ちはだかります。 「荒間」「横繁」「組子」「框」…聞いたことのない専門用語のオンパレード。しかも、業界自体が古いため、ネット上にはプロ向けのマニアックな情報か、逆に簡単すぎる張り替え情報しかなく、「普通の人が、普通に障子枠を買うための教科書」が存在しませんでした。
障子は、日本が誇る素晴らしい建具です。 専門用語のせいでその魅力が伝わらず、諦めてカーテンにしてしまうのはあまりにももったいない。
そこで本記事では、創業から長年障子を見つめてきた私たちFUSSASHOPが、「業界一わかりやすい障子の教科書」を目指し、基礎知識から選び方、購入方法、メンテナンスまでを網羅しました。
これを読めば、もう専門用語に怯えることはありません。あなたのお部屋にぴったりの障子が、必ず見つかります。
第1章:なぜ今、「障子」なのか? 意外と知らない基礎知識
「障子なんて、ただの木の枠に紙を貼っただけでしょ?」 もしそう思っているなら、少しだけ認識をアップデートさせてください。実は障子は、現代の住宅事情においてこそ真価を発揮する、高機能な省エネ建具なのです。
1-1. カーテンやガラスにはない「障子」の3大メリット

なぜ、何百年もの間、日本家屋で障子が使われ続けてきたのか。それは単なる伝統ではなく、日本の気候に最適な「機能」があるからです。
① 驚異的な「断熱・保温効果」 実は、障子の断熱性はカーテンよりも優れているというデータがあります。 障子は、木枠と紙で構成されています。この「紙」と、窓ガラスとの間に生まれる「空気の層」が、天然の断熱材となります。
- 冬: 冷たい外気を遮断し、部屋の暖かさを逃さない。
- 夏: 直射日光の熱を和らげる。 エアコンの効きが良くなるため、光熱費の節約にもつながります。
② 光を拡散させる「照明効果」 直射日光は眩しく、部屋の中に強い影を作ります。しかし、障子紙を通した光は「拡散光」となり、部屋全体を柔らかく均一に照らします。 北側の部屋でも、障子を通すとほんのり明るく感じるのはこのためです。この優しい光は、日本人の心を落ち着かせる癒やしの効果も持っています。
③ 呼吸する「調湿効果」 木も和紙も、呼吸をしています。湿気が多い日本の夏には湿気を吸い取り、乾燥する冬には放出します。部屋の湿度を自然にコントロールしてくれる、天然の加湿・除湿機のような役割を果たしているのです。
1-2. これだけ知っておけばOK!障子の「部位」の名前
さて、ここから少し専門的な話になりますが、覚えるべき単語は3つだけです。これさえ知っていれば、ネット通販での注文で困ることはありません。

- 框(かまち): 障子の外周を囲っている、太い枠のこと。「縦框(たてがまち)」と「横框(よこがまち)」があります。ここが障子の骨格です。
- 組子(くみこ): 枠の中にある、格子状の細い木のこと。「桟(さん)」とも呼ばれます。この組子の組み方で、デザイン(荒間や横繁など)が決まります。
- 腰板(こしいた): 障子の下部分にある板のこと。これがあるものを「腰付き」、ないものを「水腰(みずごし)」と呼びます。昔は雨の跳ね返りで紙が濡れるのを防ぐためにありましたが、今はデザインや、蹴破り防止のために選ばれます。
第2章:デザイン図鑑 ~「荒間」や「横繁」って結局なに?~
障子選びで最も混乱するのが、「デザインの呼び名」です。 「荒間(あらま)」「横繁(よこしげ)」「大荒(おおあら)」…。 漢字ばかりで難しそうですが、要するに「格子のマス目が大きいか、細かいか」「横線が多いか、縦線が多いか」というだけの話です。

ここでは、代表的なデザインを分かりやすく翻訳してご紹介します。
2-1. 荒間(あらま)障子
- 別名: 荒組(あらぐみ)、大荒(おおあら)、荒組子
- 特徴: 「THE・普通の障子」です。
- 解説: もっとも一般的で、広く流通しているデザインです。縦横の線がほどよい間隔で組まれ、大きな四角いマス目が並んでいます。 「普通の障子が欲しい」「特にこだわりはないけど、和室らしくしたい」という方は、迷わずこれを選んでください。光をたっぷり採り込めるのが特徴です。
2-2. 横繁(よこしげ)障子
- 別名: 横繁(よこしげ)、横組子
- 特徴: 「横の線がいっぱいある、おしゃれな障子」
- 解説: その名の通り、横方向の組子(桟)が細かくたくさん入っているデザインです。 関東地方(江戸)で好まれたスタイルで、モダンでスタイリッシュな印象を与えます。横のラインが強調されるため、部屋を広く見せる効果もあります。最近の和モダンな住宅や、リノベーション物件で特に人気があります。
2-3. 縦繁(たてしげ)障子
- 特徴: 「縦の線がいっぱいある障子」
- 解説: 横繁の逆で、縦方向の組子が多く入っているデザインです。こちらは主に関西地方(京阪)で好まれてきました。天井を高く見せる効果があり、上品で落ち着いた雰囲気になります。
2-4. 雪見(ゆきみ)障子
- 別名: 摺り上げ(すりあげ)障子
- 特徴: 「下半分がガラスになっていて、小さな障子が上下する」
- 解説: 旅館などで見たことがあるかもしれません。障子の下半分にガラスがはめ込まれており、そこにある小さな障子(孫障子)をスライドさせて上げ下げできます。 部屋にいながらにして、庭の雪景色を楽しむために作られた風流なデザインです。現在では「猫ちゃんが外を見る用」として購入される方も多い、隠れた人気商品です。
2-5. 結局、どれを選べばいいの?
基本的には「見た目の好み」で選んで全く問題ありません。 「関東だから横繁にしなければならない」という決まりはありません。一番価格が安くてスタンダードなのは荒間障子なので迷ったら荒間障子で大丈夫。
- 明るく、掃除を楽にしたい(桟が少ないほうが埃がたまらない)なら 「荒間」
- ちょっとおしゃれに、カッコよくしたいなら 「横繁」
- 庭や外の景色を楽しみたいなら 「雪見」
難しく考えず、インテリアを選ぶ感覚で楽しんで選んでみましょう。
第3章:素材と種類 ~「木」と「紙」の選び方~
デザインが決まったら、次は素材です。「障子なんて全部同じ木でしょ?」と思われがちですが、実は素材によって価格や耐久性、部屋の雰囲気がガラリと変わります。
ここでは、マニアックな銘木(めいぼく)の話は抜きにして、一般的に流通している代表的な種類だけを押さえましょう。
3-1. 枠の材質:迷ったら「スプルス」一択でOK
障子の枠に使われる木材には、杉(すぎ)やヒノキなどがありますが、現在のネット通販や既製品で圧倒的シェアを誇るのは「スプルス」という木材です。楽器などにも使用される軽くしなやかな木材です。
- スプルス材(Spruce): マツ科の針葉樹です。全体的に白っぽく、清潔感があり、部屋を明るく見せてくれます。加工しやすく、反りも比較的少ないため、コストパフォーマンスが最強です。 「特にこだわりはないから、安くてきれいな障子が欲しい」という方は、スプルス材を選べば間違いありません。当店の主力商品もこのスプルス材を使用しています。
※ちなみに高級旅館などは「秋田杉」や「木曽ヒノキ」を使いますが、価格が数倍になるため、一般的なリフォームではスプルスが標準です。
3-2. 障子紙の種類:破れない紙がある?
「子供やペットがいるから、すぐに穴が開くのが心配…」 そんな方の救世主となるのが、進化した障子紙です。
- 普通紙(パルプ): 昔ながらの障子紙。通気性が良く、価格も安いですが、衝撃には弱いです。
- 強化紙(タフトップなど): 見た目は和紙ですが、化学繊維を混ぜて強度を数倍に高めたもの。指で突いたくらいでは破れません。最近ではこれらの紙を標準にしている建具店が多いようです。
- プラスチック障子紙(ワーロンシートなど): 和紙の両面を塩化ビニール樹脂でラミネートしたもの。「絶対に破れない」と言っても過言ではない強度を持ちます。水拭きができるため、汚れにも強いのが特徴。ただし、通気性(調湿効果)は失われます。価格もまあまあ上がります。2枚セットだと数千円~1万円程度UPします。
注文時に紙の種類を選べる場合は、生活スタイルに合わせて選びましょう。「張り替えの手間を二度と味わいたくない!」という方には、プラスチック系や強化紙が強くおすすめです。
第4章:購入・採寸・設置 ~ネット通販の「失敗しない」活用法~
ここが本記事の最重要ポイントです。 「障子枠は、どこで買うのが正解なのか?」 そして、 「自分で測って、サイズが合わなかったらどうしよう?」 という不安を完全に解消します。
4-1. ホームセンターに「障子枠」が売っていない理由
多くの人が経験する「ホームセンターに行ったら、紙しか売ってなかった問題」。 これには明確な理由があります。
日本の家屋は、実は一つひとつサイズが微妙に違います。 「団地サイズ」「関東間」「中京間」などの規格はありますが、実際には家が建つ時の大工さんの加減や、経年変化による建物の歪みにより、数ミリ単位で高さや幅が異なるのです。
また、各住宅の開口部はすべてサイズが異なります。逆に言うとそれらに柔軟に対応してきたのが障子です。
ホームセンターは「在庫を置いて売る」ビジネスです。どの家のサイズにも合わないかもしれない巨大な木枠を、何百種類も在庫することは物理的に不可能です。だから、「紙は売るけど、枠は売れない(注文対応のみ)」というのが業界の常識なのです。
ホームセンターのリフォームカウンターなどでは受け付けてくれます。

4-2. 現代の正解は「ネット通販」
そこで活躍するのが、FUSSASHOPのような「障子専門のネット通販」です。 私たちは、工場から直接お客様のもとへ届ける仕組みを持っているため、ホームセンターには置けない膨大なサイズの在庫や、オーダーメイド対応が可能です。
- メリット1:価格が明確 職人さんに見積もりを取る必要がなく、サイト上で価格がわかります。
- メリット2:枠ごと届く 重い障子を運ぶ必要がありません。
- メリット3:初心者サポートが充実 「測り方がわからない」という方のために、電話やLINEでのサポート体制を整えているお店が多いです。
4-3. 失敗しない「採寸(サイズ測り)」の3ステップ

「でも、自分で測るのは怖い…」 大丈夫です。測るべき場所は決まっています。以下の手順で測ってみてください。
【パターンA:今ある障子を捨てずに持っている場合】 これが一番簡単です。今使っている古い障子のサイズをそのまま測ってください。
- 高さ: 枠の上から下までの長さ
- 幅: 枠の端から端までの長さ
- 厚み: 枠の厚さ(一般的には30mm前後が多いです)
【パターンB:障子がなくて、枠(溝)しかない場合】 鴨居(上枠)と敷居(下枠)の内側のサイズを測ります。これを「内法(うちのり)」と呼びます。
- 高さを測る: 左端・中央・右端の3箇所を測ります。(古い家は中央が下がっていることがあるため)
- 幅を測る: 上部・下部の2箇所を測ります。
- 溝の幅を測る: 障子がハマる溝の太さを測ります。
※ネットで注文する際は、この「測った寸法」をそのまま入力すれば、お店側が滑りを良くするための「隙間分」を計算して作ってくれる場合と、自分で隙間分を引いて注文する場合があります。FUSSASHOPの商品ページには詳しい指示がありますので、それに従えばOKです。
4-4. 「歪み」に対応する秘密兵器『アジャスター』
「築年数が古くて、鴨居が下がってきている(高さが場所によって違う)」 そんな場合でも、ネット通販の障子なら安心です。縦枠が傾いている・・・など。
多くの既製品障子には、「アジャスター」という機能をつけることができます(または標準装備されています)。 これは、障子の下部分に付いている調整ネジのようなもので、ドライバー1本で障子の高さを数ミリ~1センチ程度上げ下げできる機能です。
これがあれば、少しくらい採寸がズレていても、あるいは家の枠が歪んでいても、現場でピッタリに調整が可能です。 プロの建具屋さんがカンナで削って合わせる作業を、ドライバー1本で誰でもできるようにした画期的な機能です。
★ここでチェック! 当店の障子は、初心者の方でも安心して設置できるよう、わかりやすい採寸ガイドと豊富なラインナップをご用意しています。 「規格サイズ」から「オーダーサイズ」まで、あなたのお部屋に合うものが必ず見つかります。
▼失敗しない障子選びはここからスタート。FUSSASHOP 商品一覧
第5章:メンテナンスとトラブルシューティング ~長く快適に使うために~
念願の新しい障子が届き、お部屋がパッと明るくなりました。 その美しさを長く保ち、快適に使い続けるための「プロの知恵」を伝授します。難しい手入れは必要ありません。ちょっとしたコツを知っているだけで、障子の寿命は何年も変わります。
5-1. 「滑りが悪い!」と思ったら?
障子を使っていると、湿気や建物の歪みで、開け閉めが重くなることがあります。そんな時、力任せに引っ張ると枠が壊れてしまいます。以下の方法を試してみてください。
① 昔ながらの知恵「ロウ」を塗る 敷居(下のレールの溝)に、白いロウソクを軽くこすりつけてみてください。これだけで驚くほど滑りが滑らかになります。専用の「建具用ワックス」も売られていますが、家庭にある普通のロウソクで十分代用可能です。
② 魔法のテープ「敷居スベリ」 ホームセンターやネットで売っている「敷居スベリ」というテープをご存知でしょうか? これを敷居の溝に貼るだけで、滑りが劇的に良くなります。同時に、木の溝が削れるのを防ぐ保護効果もあります。 ※ただし、元々きつい(高さがパンパンの)障子に貼ると、テープの厚みで逆に入らなくなることがあるので注意が必要です。アジャスター付きの障子なら、少し高さを縮めれば完璧にフィットします。
5-2. 日常のお掃除は「ハタキ」か「掃除機」で
障子の桟(さん)には、どうしてもホコリがたまります。 水拭きは厳禁です。木が水を吸ってシミになったり、障子紙が剥がれたりする原因になります。
- 基本: 「ハタキ」で上から下へホコリを落とすのが一番です。
- 現代流: 掃除機の先端に「ブラシノズル」をつけて、優しく吸い取るのもおすすめです。
もし、プラスチック障子紙(ワーロンシートなど)を選んだ場合は、固く絞った雑巾で水拭きが可能です。これがプラスチック障子の最大のメリットの一つです。
5-3. 破れてしまった時の「応急処置」
うっかり物をぶつけて穴が開いてしまった…。 全部張り替えるのは大変ですよね。そんな時は「補修シール」が便利です。
ホームセンターや100円ショップには、桜の花びらや紅葉の形をした、和紙の補修シールが売っています。これを穴の上から貼るだけ。 「隠す」のではなく、あえて「模様として楽しむ」という発想です。白い丸シールで目立たなくするのも良いですが、季節の花を散らしてアクセントにするのも、和室ならではの遊び心です。
第6章:よくある質問(Q&A) ~購入前の「最後の迷い」を解決~
お客様からFUSSASHOPによく寄せられる質問をまとめました。
Q1. 洋風のリビングの横に和室があるのですが、普通の障子だと浮きませんか? A. そのような場合は「横繁(よこしげ)」や「荒間」の中でも枠が太めのデザインを選ぶと、モダンな印象になり洋室ともよく馴染みます。最近は「和モダン」として、あえて洋室のリビングに障子を取り入れる方も増えています。白木の枠はどんなインテリアにも意外とマッチします。
Q2. ネットで買うと、取り付け工事は誰がやるのですか? A. 基本的にお客様ご自身での設置となります。「えっ、自分で?」と思われるかもしれませんが、障子は女性の方でも持てる重さです。敷居の溝にはめ込むだけなので、工具も工事も不要です。 ※2人以上で作業すると、より安全でスムーズです。
Q3. 古い障子の処分はどうすればいいですか? A. 自治体によって異なりますが、一般的には「粗大ごみ」として出すのが最も簡単です。リサイクルセンターへの持込であれば、数百円程度の手数料で回収してくれます。 DIYが得意な方であれば、紙を剥がして木枠をノコギリで細かく切断すれば、「燃えるごみ」として出すことも可能ですが、労力を考えると粗大ごみがおすすめです。
Q4. 届いた障子がどうしても入りません…。 A. まずはアジャスター(高さ調整ネジ)を確認してください。一番低くなるように回しても入らない場合は、残念ながら採寸ミスの可能性があります。 しかし、数ミリ程度であれば、ホームセンターで売っている紙やすりで障子の上下を少し削ることで入る場合があります。木製ならではのリカバリー方法です。 ※FUSSASHOPでは、採寸に関する不安な点があれば、ご注文前にご相談いただけます。
まとめ:障子を変えれば、家が変わる。
最初は「専門用語ばかりで難しそう」「ホームセンターに売ってなくて困った」と感じていた障子選びも、今ではずいぶんと身近なものに感じられるようになったのではないでしょうか。
- デザイン: 名前は気にせず、見た目の好みで選ぶ。
- 購入場所: 種類が豊富で自宅に届く「ネット通販」を利用する。
- サイズ: 今ある障子か、枠の内側を測るだけでOK。
たかが障子、されど障子。 古びて黄ばんだ障子を真っ白な新品に変えるだけで、部屋全体がリフォームしたかのように明るく生まれ変わります。 朝、障子越しに差し込む柔らかな光で目覚める心地よさは、なにものにも代え難い贅沢です。
「そろそろ変えようかな」と思ったその時が、タイミングです。 難しいことは私たちにお任せください。ぜひ、新しい障子のある清々しい暮らしを始めてみませんか?
