「障子紙を張り替えるついでに、古くなった枠も新しくしたい」
「うっかり物をぶつけて、障子の桟(さん)を折ってしまった」
そう考えて近所のホームセンターへ出かけたものの、広い店内をどれだけ探しても「障子枠(障子戸本体)」が見当たらない……という経験はありませんか?
店員さんに聞いても「枠だけの在庫は置いていないんです」と言われ、途方に暮れてスマホで検索しているあなたへ。実は、ホームセンターで完成品の障子枠が売られていないのには、日本の住宅事情に基づいた明確な理由があります。
この記事では、なぜ店頭で買えないのかという疑問を解消するとともに、「今ある枠をDIYで直す方法」から「ネットや専門店で正しく入手する方法」、そして「プロ仕様のメンテナンス資材」まで、障子枠に関するお悩みをすべて解決します。
1. なぜホームセンターに「障子枠」は売っていないのか?
障子紙や糊(のり)、プラスチック障子などは山積みされているのに、なぜ肝心の「枠」がないのでしょうか。それには主に2つの理由があります。
理由①:障子は「オーダーメイド」が基本だから
私たちにとって障子は身近な建具ですが、実は非常に繊細な「指物(さしもの)」の一種です。
日本の家屋、特に和室は、築年数が経過すると湿気や重みで柱や鴨居(かもい)がわずかに歪みます。この「数ミリの歪み」に合わせて、職人が現地でカンナをかけて微調整するのが本来の障子の在り方です。ただし、現在では調整用のアジャスターが付いているモノもあるのでそこまで厳密ではありません。
もしホームセンターで「規格品」の真四角な障子枠を買って帰っても、家の枠が歪んでいれば「入らない」か「隙間風が入る」という事態になり、クレームの原因となります。そのため、在庫として置くことが非常に難しい商品なのです。
理由②:地域によって「規格」が違う
障子のサイズには「関東間(江戸間)」「中京間」「関西間(本間)」など、地域によって基準となる寸法が異なります。
さらに、障子のデザイン(荒組、横繁、雪見障子など)も多岐にわたるため、ホームセンターが全てのニーズに応える在庫を持つことは物理的に不可能です。
2. ケース別:障子枠が見つからない時の3つの解決策
では、枠が手に入らない場合どうすれば良いのでしょうか? 状況に合わせて、以下の3つの選択肢から最適なものを選びましょう。
| 状況 | おすすめの解決策 | 費用感 |
|---|---|---|
| 桟(中の格子)が折れた | 木材を買ってDIY修理 | 低(数百円〜) |
| 枠全体が古びている | 洗浄・塗装でリメイク | 中(千円〜) |
| 枠が歪んでいる・破損が酷い | 専門店・通販でオーダー | 高(1万円〜) |
3. 【DIY修理】ホームセンターの材料で「折れた桟」を直す方法
枠全体を交換しなくても、破損した部分だけを直せばまだまだ使えます。ホームセンターの「木材売り場(資材館)」へ移動しましょう。
必要な材料
- 工作用木材(ヒノキ・スプルースなど)
※既存の桟の厚み(通常6mm〜9mm程度)と同じものを探します。「面木(めんぎ)」と呼ばれる部材が使えることもあります。当社ショップの障子の場合はスプルースが使用されています。ギターのトップ材などにも使われるしなやかで軽い木材です。 - 木工用ボンド
- ノコギリ(精密用がおすすめ)
- 紙やすり(サンドペーパー)
修理の手順
- 折れた部分の切除
折れてしまった桟を、交差している太い枠の根元からきれいに切り取ります。バリが出ないようにヤスリで整えます。 - 新しい木材の加工
買ってきた工作材を、切り取った部分と同じ長さにカットします。この時、コンマ数ミリ長めに切って、ヤスリで微調整すると隙間なくハマります。 - 接着と固定
切り口に木工用ボンドを塗り、新しい木材をはめ込みます。乾燥するまでマスキングテープなどで固定しておきましょう。 - 色合わせ(重要)
新しい木材は色が白く浮いてしまいます。既存の枠が日焼けしている場合は、薄めたステインや紅茶などを塗って色を馴染ませると、プロ並みの仕上がりになります。
4. 【メンテナンス】枠を長持ちさせる「プロの視点」
DIYで修理を行う際、単に形を直すだけでなく「機能性」を高めることも検討してみませんか?
ホームセンターには汎用品しか置いていませんが、和室の建具を長く美しく保つためには、防腐・防蟻(シロアリ対策)・難燃などの特殊な処理が有効です。
特に、湿気の多い日本家屋において、木材の保護は非常に重要です。一般的なホームセンターでは取り扱いのない、専門的な保護剤やメンテナンス資材をお探しの場合は、以下の専門ショップをチェックすることをおすすめします。
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5. 【購入・交換】ネット通販で「既製品・オーダー」を注文する方法
「DIYでは直せないほど壊れている」「部屋の雰囲気を変えたい」という場合は、枠ごと購入する必要があります。
ホームセンターのサービスカウンターで取り寄せを依頼することも可能ですが、最近ではネット通販でのオーダーがスムーズで種類も豊富です。
失敗しない「採寸」の3大ポイント
ネットで注文する際、最も重要なのがサイズ計測です。以下の3点を必ず測ってください。
① 鴨居(上)から敷居(下)までの「高さ」
部屋の端、中央、もう片方の端の3箇所で測ります。
家は中央が下がっていることが多いため、「一番短い寸法」を基準にするのが鉄則です。
② 柱から柱までの「幅」
これも上・中・下の3箇所を測ります。障子が2枚引違いの場合は、全幅の半分に「重なり代(約30mm)」を足したサイズが1枚分の幅になります。
③ 溝の「厚み」と「深さ」
一般的な障子の厚みは30mm前後ですが、特殊な場合もあります。また、鴨居の溝の深さ(通常12〜15mm)も確認しておきましょう。
6. アルミ製やプラスチック製という選択肢
最近では木製だけでなく、「アルミ製障子」も人気です。
アルミ製は湿気による歪みが起きにくく、開閉がスムーズな状態が長く続きます。また、木目調のシートが貼られているタイプなら、見た目は和風のままメンテナンスフリーを実現できます。
まとめ:障子枠は「探す」より「直す」か「頼む」が正解
ホームセンターで障子枠が見つからないと焦る必要はありません。それは、日本の家屋に合わせた「当たり前」のことだからです。
- 部分的な破損なら:ホームセンターの工作材でDIY修理。
- 汚れや劣化なら:漂白や再塗装でリメイク。
- 全交換なら:正確に採寸してネットオーダー、または建具屋へ依頼。
障子は、手を入れれば何十年も使える素晴らしい建具です。ぜひ、ご自宅の状況に合わせた最適な方法で、美しい和室を取り戻してください。
また、修理やリフォームの際には、将来を見据えた「素材選び」も大切です。長く安心して住める家づくりのために、専門店のアイテムも上手に活用してみてください。
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